★★『(株)貧困大国アメリカ』堤未果著、岩波新書1430

章題

プロローグ
第1章 株式会社奴隷農場
第2章 巨大な食品ピラミッド
第3章 GM種子で世界を支配する
第4章 切り売りされる公共サービス
第5章 「政治とマスコミも買ってしまえ」
エピローグ ― グローバル企業から主権を取り戻す

2013/09/14(Sat)


 前作『ルポ 貧困大国アメリカ』では医療制度、『ルポ 貧困大国アメリカU』では教育問題と社会保険と医療問題と刑務所問題。
そして今回は、遺伝子組み換え食品を主に扱う食品企業とか。

 簡単に本書の内容を紹介すると、巨大企業の企業献金などの圧力によって、法案がそれらの企業の都合の良い方向に進んでしまう。それは企業利益を考えたもので、国民の事を考えていない。という感じ。
 法案を決める議員は国民が選ぶものの、公約どおりの事をしてくれるとは限らない。オバマ大統領も遺伝子組み換え食品のラベル表示義務とかを公約に掲げていたものの、結局はそれと間逆の法案が通ったとか。そして、それを国民に知らせるべきマスコミも抱え込んでしまっていて、国民の大部分が気づいていないとか。

 救いの無い話が多いが、エピローグに希望がある事が書いてあった。不良債権ビジネスにはまってしまった人の為に、1ドルで売りに出されている不良債権を寄付によって買い取って、放棄したりという例が興味深かった。ささやかな反抗なのかもしれないが、こういう反抗が増えてくればいいなと思う。


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