★★『ルポ 貧困大国アメリカ』堤未果著、岩波新書1112

章題

プロローグ
第1章 貧困が生み出す肥満国民
第2章 民営化による国内難民と自由化による経済難民
第3章 一度の病気で貧困層に転落する人々
第4章 出口をふさがれる若者たち
第5章 世界中のワーキングプアが支える「民営化された戦争」
エピローグ


2010/03/28(Sun)


 自由の国アメリカの現状に関してです。とはいえ、本が出版されてから2年経ち、これを書いている時点ではオバマ大統領が保険制度を改革しようとして法案を通している。とはいえ、法案に賛成した議員が脅迫されているというニュースも聞いたりで今後どうなっていくのか予断を許さない感じ。
 簡単に言うと、自由という事で、それなりの責任もついて周り、保険に入ったりもちろんその保険料を払う責任も自分自身で果たさなければならない。そして一旦それが果たせなくなると転落が待っている。そしていわゆる勝ち組企業とかのいろいろな形での捨石になる。
 そしてその最終形の一つに戦争参加がある。アメリカのやっている事を見ると、戦争をしたいから兵士を集めなくてはいけなくて、兵士を集めるために経済的に追い詰められた人達を作るために格差社会を増強する、という様に見えなくも無い。

 アメリカに肥満児が多いという話。単なる贅沢病だと思っていたけど実は違うらしい。詳細は本書で読んでもらうとして、各種事情でジャンクフードばっかりの食事になり、そんな食生活だと太ってしまうらしい。

 社会保障が恵まれすぎているとそれに甘えすぎちゃう人が出てくると思うけど、無さ過ぎもこんな事態を引き起こしたりするわけで。本書の中で語られているのは社会保障の無さ杉というか、本来国家が保障すべき部分を民営化してしまうと、利益を追い求めえぐい事をし始めてしまうわけで。とはいえ、国家がやってだらだらしすぎるのもなんだし。

 日本でも、福祉と税金のバランスを考える時期にあると思う。その悪いほうの例がこれですな。


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