前作『ルポ 貧困大国アメリカ』では医療制度をメインで一部教育とワーキングプアの問題を紹介していたけど、本作では表題の通り教育問題と社会保険と医療問題と刑務所問題。

　それぞれに問題を抱えていて、自分が１番怖いと思ったのは刑務所問題。軽い犯罪を発端として転がり落ちていくパターン。

　４種類の問題を紹介しているが、根本的な問題は同じ。何かの業界団体が利権を得てその利権によりお金を儲ける（ある意味アメリカ下層国民からの搾取）、社会問題となってそれを改革しようと思ってもその業界団体がそのお金を用いてロビー活動やネガティブキャンペーンを行ってそれはなかなか覆らない。オバマ大統領が主導でもそれは同じ。オバマ大統領が行った皆保険制度も結局修正を経て業界団体に有利なようになったとか。

　と、ネガティブキャンペーンがあったとはいえそれを受け入れる国民があるという事で、アメリカ国民にはやっぱり成功するものは成功しそれでなければ落ちて行きそれはもう自分責任という事なのか。医療も医療費を払える経済力を身につけていないのが悪いのか。
（保障しすぎてそれに頼り切ってしまうという国もあるようだが）

　この本で書かれているような状況に陥ってしまっている人はどれぐらいなのだろうか？　TVで見るアメリカはそれなりに元気で暮らしているように見える。まぁ日本でも入院している人なんて身の回りにあまりいない。
　厚遇しなくてもいいから、病気みたいに自己責任でどうならないものとかは保障欲しいですね。