| さて、次の目的地はどこか、というと、周恩来記念館。ガイドブックの地図では、その場所がページの境目にあって解り辛かったけど、こっちに来てもらった紙の地図を見ていて発見した所。じつは日本で周恩来のついての本を読んで、畏敬の念を抱いていた私。ぜひとも行かなくては。 さて、適当な場所でバスから降りたのはいいが、ここからだと結構歩く。上海動物園には無事にバスで行けたが、上海動物園内は広く、それを見物して回るだけでも結構歩いた。ここは少しでも歩く距離を縮めたい。地図で見るに地下鉄一号線の黄陂南路站が一番近そう。そして現在地から一番近いのは地下鉄二号線石門一路站。という事でその駅から人民公園站で降り、乗り換え。しかし、この乗り換え、長い。いつまで続くのか？、もう駅降りたっけ？と考えてしまうほど長い。 乗り換えという事で、さほど歩かないだろうと思っていただけにこの距離は結構効いた。キツイわ。そしてようやく乗り換え出来て、目的の駅についた頃には相当疲労していた。 ちなみにここ（駅を降りたところ）は、ガイドブックによると上海で二番目のショッピング街らしい。ビルが並び、デパートも立っている。という事で、早速デパートの地下食品街へ向かう。風景はほぼ日本と同じ。壁面に色々な店が並び、中心部に共通席がある。違うのはメニューが中華料理ばかりだという事。当たり前である。疲れているせいか、あまり量のある物は食べたくなくなっていた。選んだのは麺類。しかし麺類の中で選んだのは肉の塊が具として入っている物。さて注文しよう。 「我要這个（これ下さい）」 いつも通り、指を指しながら言う。 「＊‘”＃！＆％＞＜？！」 早くて、難しくて解らないっつーに。 ｢這个（これ）」 再び指を指す。 「＊＊＠＊＃＄％＃＆！」 そして再び解らない中国語。 何言ってるんだ？という顔をする私。相手の店員は呆れ顔になる。くそぅ。 そしてぶっきらぼうに、 「怎麼麺（どんな麺？）」 と聞いてきた。そうだよ、それぐらい簡単な言葉だったら解るんだよ。初めからそう言ってくれればいいのに。とはいえ、中国人相手にそんなぶっきらぼうな聞き方はしまい。 とまぁ、言っている事は解ったのだが、どう答えよう。料理名が書いてある札はこちらに向けてあるのでレジ側からは見えない。いちいち辞書で調べる訳にはいかん。そして私が取った行動とは、その札を取ってレジの店員に見せる事だった。これ以上の説得力（？）はあるまい。 お金を払い料理が出てくるのを待つ。すると、別の店員が何かを聞いてきた。おいおい。何だ何だ。さすがに私が外国人である事が解ったのか（それとも頭が変な人間だと思われたか）、メニューサンプルの中の麺を手に取りながらの質問である。どうやら、麺が二種類あるらしい。もう麺の種類などどうでもよかったので、先に見せられたほうを指差す。そういえばさっきの店員は「怎麼麺」と聞いていた。あれはメニューを尋ねたのでなく、麺の種類を尋ねていたのか。しくじった。 何にせよ、無事に麺が来る。味の方だが、悪くは無い。しかし、ここは中国。多くの人が思っている事だと勝手に私が思っている事だが、中国の麺料理は美味しくなくてはいけないという感覚がある。その見地から言うと、これは失格。うーん、デパートの地下という事は厨房も狭いだろうし、あまり念入りには作れないのかもしれんが、情けはかけない。やっぱり失格。 しかし、となりに座っていた親子連れは肉乗せチャーハンを半分ぐらい残していた。そんなに不味かったのか？ さて、満足とまでは行かないにしろ、飯も食べ、目的地へ向かう。飯を食べて元気いっぱいと言いたい所だが、今日は暑い。さらに歩き尽くめで疲れている。かなりやばい状態。早く済ませて帰ろう、と足早に歩く。すると右側に復興公園という表示が見える。地図を確認。道は間違えてない。丁度いい。休んでいこう。と、ベンチに寝転がり、しばしの休息をする。 そして再び出発。地図に示された点がある通りまで来る。そしてそちら側を見ながら、その通りを歩く。が、見当たらない。もっと先か？と思いもしたが、さらに先にあった「孫中山故居」の位置関係からすると、そうでもない。今度は道の反対側から広く探す。が、やっぱり見つからない。疲れているので、早くあきらめて帰ろうという思いと、ここまで来たのだから行ってみたいという思いがぶつかる。結局は後者が勝った。 で、その周りも探してみたがやっぱり見つからない。公表していないのか？それとも小さい碑か何かが立っているだけだったとか？ せっかく来たのだから「孫中山故居」でも見ていけばいいのだが、その時の私の体は、早く帰れと命令していた。そして早々に帰る方向へ向かう。既に頭は帰る方向に行っている為、まわりのショッピング街はあまり頭に入らない。どこかに入った様な記憶もあれば、ほとんど行かなかった記憶もある。唯一記憶しているのは、伊勢丹かどこかの日系デパートに入り、「もー、どうでもいい、金万日本人だろうが何だろうが知らん」とばかりに、中にあった喫茶店で数十元するコーヒーフロートを飲んで涼んだ事だけ。 その後、どの様にして帰ったかの記憶は定かでない。多分近くの地下鉄の駅から一つ西に行き、そこから歩いて帰ったのではないか、と想像する。 さて、ホテルに帰って何をしたか、というと、寝た。大の字で。眠くは無い。寝転んだだけ。でもそのままずーっとぼーっとしていた。ルームメイキングの時間らしく、服務員が「開水（お湯）」を持って来た以外は何も無く、ごろ寝していた。テレビをつけていた様な記憶もあるが、定かではない。 しばらく寝転んでいると、ようやく行動する気力が沸いてくる。とりあえず飯を食べに行こう。せっかくだからホテル内のレストランを使ってあげよう。そういえばロビーに、このホテルのレストラン紹介の看板があったな、と思い出し、そこへ行く。眺めていると横から 「カラオケ、カラオケ」 と声がかかる。見るとチャイナドレスを着た上海美女が。しかし歌う元気もカラオケに金を使う気も無かったので笑いながら 「不要不要（いらない，いらない）」 と答える。あっさりと去って行く上海美女。もうちょっと引き下がるかな？と思っていたので少々残念。 その後、中華料理を食べようと、その場所に行ったら電気が消えていた。早仕舞いなのか休みなのかは不明だが、どちらにせよ食べる事が出来ない事に変わりは無い。そしてその後ローソンに行って何かを買ってきた様な気もするし、そのまま何も食べずに夜を過ごした気もする。定かではない。 次の話へ 目次のページに戻る |