韓国旅行記2
− 何故解る? −

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 そうして待ち合わせの時間と場所を決めた私。次は飯だ。しかし、メモにある番号に電話しようものなら、ネイティブ韓国語で攻撃されるだろう。それに対応できるぐらいならさっきの兄ちゃんの韓国語も解る。それならば、直接兄ちゃんの所に行く方がまし、という事で、そうすることにした。
 フロントへ行き、さっきのメモ(メニューがメモ用紙の下の方に印刷されていた)にを見せながら、

 「冷麺食べたいです(韓)」というと
 「水冷麺? キムチ冷麺?(韓)」
 「水冷麺(韓)」
 「#%&”#’&&’#&”’$#””#$#&|¥」

何を言っているのかは解らないが、表情と手振り素振りから冷麺を注文するのは問題がありそうな事が解る(こういう事からも、電話より直接の方が意志が伝わりやすい事が解る)。そこで、

 「冷麺駄目なの?(韓)」

というと、やおら受話器を取り、電話しはじめる。どうやら食堂にかけている様だ。会話の端々から聞き取れる単語と雰囲気と表情から無理そうな事が解る。

 「駄目?(韓)」

 と言って、あきらめ顔で手を振りながら立ち去ろうとすると、フロントの席を立ち、ついてこいの仕種をする。一体何だ?もしかして食堂に連れていってくれるというのか?どっちにしろ、フロント空けて大丈夫なのか?不用心だなぁ。

 予想通り食堂へ連れて行かれた。食堂はまだ準備中の雰囲気をムンムンに漂わせている。その忙しそうに立ち回っている店員にむかって兄ちゃんは何か話しかけている。冷麺を作ってくれないかといっているのは明白である。しかしやはり食堂の店員は首を振る。結局そこでも駄目でホテルに二人して戻るのだった。いい人だなぁ、この兄ちゃん。


 そしてホテルで、ちょっと時間をつぶし、再びホテルを出る。飯の時間が消えたせいもあって、その場所に早く着く。こういう時にじたばたしてもしょうがない。駅の改札辺りでボーっと人間観察しながら時間が過ぎるのを待つ。

 時間は昼前程度。人はさほど多くない。電車が到着した時、大量の乗客が改札を出る以外はほとんど人の姿が見えない。駅員の姿も見えない。そう、なぜか韓国の地下鉄の改札には駅員がいないのだ。実は、ホームにもいない。いるのは切符売り場だけ。

 そのせいか、改札をくぐりぬける輩が結構いる。自動改札(仕切り(?)は棒一本。遊園地などによくある自動入場者カウントマシーンの如く三本の棒がついたやつが、一人通過する毎に120°回転するアレ)なのだが、くぐりぬけるのも乗り越えるのも比較的簡単なのだ。乗り越える奴もくぐりぬける奴も実際に見ることが出来た。とはいえ、大体の人はちゃんと切符を使って通っている。良いことだ。

 そんな感じで立っていると、一人の男が私を見た瞬間こっちに向かって歩いてきた。早歩き。MFか? しかし、写真はお互いに送ってあったのでその人間でないことは一目で解った。なのにも関わらず、私を見た瞬間に歩く方向を変えたという事実に、私はびびった。もしかして相手の親か何かで、メッセージを知らせに来たのか? にしても一、二時間に電話で話したばっかりだ。事故か? なんて事を考えているうちに目の前にやってきた。

「#$#&%%$$***‘@@@|?><」
って、いきなり韓国語で来るか? しかも、この顔からして深刻な内容ではなさそうだ。そしてさらに考えを巡らせて、

−道を聞かれている−

という結論に至る。

「よくわからないです(韓)」

手を横に振りながら答える。

「しらないの?(韓)」

 そう言いながらその男は、私のそばを離れていく。

 日本人の俺に道を聞くなぁ!!!!!!!

 なんなんだ一体? その日待ち合わせの当人があらわれるまで、その他2人程度に道を聞かれた。
日本でも聞かれ顔には自信がある(そんなものに自信をもってどうする)が、韓国でも有効だとは‥‥。こんな所に一人で立っている日本人なんてほとんどりいないのだとは思うが、周りにいっぱい一目で韓国人と解る顔の人間がいるのに、何故俺に来る?! しかもまっしぐらに、俺の方に向かって。謎だ。

−−−時間経過−−−

 さて、待ち合わせの時間を少々過ぎてから当人が現れる。遅れた理由は忘れてしまったがよくある理由だったことは覚えている。なんにせよ、遅れた事による憤りよりも、逢えたことによる安心感の方が上をいった様だ。穏便にその場を離れ、ロッテリアに向かう(朝飯を食べてない事を告げた)。話によるとロッテリアはロッテの系列だそうな。なるほど。
 ロッテリアへ行く途中、待っている間に数人に道を聞かれた事を話す。すると”インテリそうで道とか知ってそうだからだと思う”と答えられた。で、韓国人に見る気になれば見えるし、日本人に見る気になればそう見えるとの事。
 日本にも韓国顔の人もいるし、そんなもんなのかもしれない。

 しかし、そうして二人で歩いている時に、また道を聞かれる。
 ここでも何故か私の方に聞いてきた。ちなみに一度ではない。私はその度に

「知ってる?(韓)」

 とメールフレンド(以下MF)に聞き、その場をやりすごすのだった。MFは韓国人の自分でなく、日本人の私の方が道を尋ねられた事に、結構ショックを受けたらしい。
ごめんね、聞かれ顔パワーを韓国でも爆発させてしまって。

 ちなみにそれまで私が言ったことは冗談か何かだと思っていたらしい。
 うーむ。


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