はっきり言って、著者の司馬遼太郎の名前を見て買ったような本です。で、もう一人のドナルド・キーンさんは、大の日本通で日本文学通で、作家の歴史とかの知識も凄い人。
　この本はそんな二人の対談集。何か簡単な題目を決めて、それについて言葉を交わしてゆく。そんな本。

　戦争時代の話が結構出てくるような気がしたけど、あまり出てこなくて、平安やら室町やら幕末やらもうかなり広い時代範囲で話をされてます。それぞれが面白くてさっぱりしててよろしいです。

　で、締めですが、＊＊が日本的な物だ、と言って頑張ると却って嫌らしいものになってしまう、という話がありました。確かに思い出してみると、＊＊ではないでしょうか？という様な語り口調はあっても、＊＊だ、という断定口調は無かった気がします。きっと色んな物が複雑に絡み合って言葉では言い表すことが出来ない様な感覚なのでしょう、多分。