★★『中国列女伝』村松暎著、中公新書166

　これは基本的に中国に残っている文献や小説や言い伝えに出てくる女性について色々と分析している本です。そんなだから、一般的な女性像ではないにしろ可能性として小説などになる程度に現実的な男女関係を述べていると思う事にします。
　最初の方は男尊女卑の価値観の中で生きている女性を描いているのですが、そこは題名が『列女伝』だけあって、そのうちすごい女性が出てきます。
　で、基本的には言い伝えや物語の中の女性だけど、最後は三人の女性が出てきます。西大后がその一人。と言う事でその三人がどんな女性かは推して知るべし。私はその手の女性は西大后と紅青（こちらは入っていない）だけかと思っていたのですが、他にもいたのですね。一番興味を持って読みました。全７章の中で一番ページ数多いです。

ちなみに他の章とその章の名前は

１．貞婦
２．孝女
３．妬婦
４．母の権勢
５．傾国の美女
６．金瓶梅と紅楼夢
７．三人の女傑

となってます。ま、色々なタイプの極端な例が載っているという事でしょう。なかなか面白いと思います。★★かな。

02/09/29(Sun)