関係無いけど、この本買ったときに、標準の帯、集英社新書フェアの帯、紀伊國屋書店の集英社文庫＆新書スペシャルフェアの帯、と３つ帯が重なってました。さぞかし書店員の人は面倒くさかったことと思います。

　最近ケーキブームなのでしょうか？アンティークなんていう洋菓子屋さんを舞台にしたドラマ（もちろん毎週見て原作漫画まで買った。しかし原作のよしながふみさんはそっち系統の漫画家さんらしい。関係無いが）があったり、ロンブー龍では女性芸能人の思い出のケーキを探してくるという企画があったり（あれで紹介されたケーキは全部食べたくなる。）

　が、著者によればケーキブームはティラミスから始まっているらしい。その他もろもろ日本のケーキを取り巻く状況を説明したのが第一章。
　じゃ、さらにそれ以前は？大体甘い菓子ってどんなのが始めか？みんな忘れている（というか古すぎて知らない）だけでカステラなんてどうか？なんて、日本等における菓子の古いルーツ、誰が日本に＊＊というお菓子（ケーキ）を持ち込んだかなんていう話が満載しているのが第二章。

　やかましい、昔のことなんざどうでもいい、とにかく美味しいケーキが食べたいんじゃい。とは言っても普通の人は一度にたくさん食べれるものじゃないし、単価が高いものもある。店の見分け方なんてどうすりゃいいのか解らんわ、という人のために色々なケーキの特色とそれに適した味わい方や、材料の違いに起因する味の違い等など味わい方薀蓄、店の選び方薀蓄を語ってくれるのが第三章。

　いいの私は、ケーキは見てるだけで楽しいの。説明文を読んでいるだけで幸せになるわ、という人は各国の代表洋菓子のイラストとその説明をしている第四章をどうぞ。

　という事で、コージーコーナ大好き甘党の私は気に入った本です。ケーキが好きな人には強くお勧めします。ただ、こだわりを持っている人は読まないで自分の趣向を貫き通すのもよいと思います。

　ちなみに著者はＴＶチャンピオン甘味王選手権で食べる速度が遅かったためにクイズの回答権が得られず泣く泣く２位になった実力の持ち主だそうです。それがため相当ケーキに思い入れがある事がひしひしと伝わってきます。ほほえましいです。そういう人が書いてるから文章そのものも好感が持てます。

　星３つか４つか迷ってたけど、やっぱり４つにしておこう。