この本、内容を一言で言うと、韓国近代史。李氏朝鮮の終わりから日韓併合までの歴史を事細かに書いた本です。アジア近代史に興味のある人にお薦めする本であります。
　そして私がイメージしていた通りに、当時の韓国官僚は情けなかったのか？という事に関しては、情けないのもいたけど、そうでないのもいた、というのが答え。金玉均という人物。そしてその彼を教育した人物（権力が無いので、権力を持つ前者を教育した）。彼は韓国は日本の様に開国して西洋文化を取り入れるべきという思想を持って、色々勉強し、人材を日本に勉強に行かせ、武器を用意し、クーデターを起こしたけど、様々な予想外出来事が起こって失敗。
　そんで、この野郎‥と思う人物が一人。メルレンドルフというドイツ人顧問。なんかこの本を読んでると色んな悪知恵を情けない官僚たちに授けているのがこいつ。
　で、そのクーデター等に関して多大な協力をした日本人が福沢諭吉との事。思想的にも金銭的にも政治的にも色々その金玉均を援助したそうな。

　この本は「韓国側の問題点を徹底的に究明する」のを目的として書かれた本だからその後の日本側の問題点は究明してないです。日韓両方が自分と相手の問題点を両方理解が理解しないと和解は無いのではないか、というのが著者の考えだと思う。日本側は謝ってるけど、どこまでわかってるのかな？というのがある。謝るのでも、自分自身の誤りも韓国側の誤りもわかった上で謝ったほうがいいと思う。
　少し前、某番組でアジア問題が取り上げられていて、日中で戦争問題の共通認識をするという作業が始まっているという話があったけど、本当かどうかはしらない。多分本当だろうけど。韓国も入っていただろうか？覚えてない。入っていなかったら是非入って欲しいものです。

　歴史書としても相当しっかりしている本です。

　2001年追加分

　と四つ星評価だったのが、★一つ、色違い★三つになってます。これはこの後著者の著作を見ていると、日本の右翼勢力に洗脳されたのではないかと思われるからです。なので、これが洗脳された考えによる本なら残念ながら評価を下げざるを得ません。四つ星は『スカートの風』シリーズで信用した著者だったからこその評価でした。日韓文化比較に鋭い目を持っている著者。早いところ洗脳から戻ってくる事を期待します。まぁそれでもある程度の知識は入ったので星一つという事です。戻ってきたら薄い色の★を元に戻します。