UFOキャッチャー

1.本編  2.追記 


本編

 そう、今度はUFOキャッチャー。誰もが知っていると思われ、ほとんどのゲームセンターあるアレである。

 あれにトライしたことがある人間でどれほどの人間が取った経験があるのだろうか?取れる人は本当に簡単に取ってしまうらしい。が、取れるようになるまで投資(コツをつかむまでチャレンジしまくるらしい。パチンコなどの賭け事と一緒(注:私はパチンコにはまったことは無い))しなければならないという事で二の足を踏んでいた。
 んが、それでももしかしたら取れるかなぁ〜〜という事でたまにチャレンジして見事に取れずもう二度とやるまいと思うのだが、やはり筐体の中の景品を見てしまうとなんか欲しくなってしまいチャレンジに至ると言う事が繰り返されてきた。

 そんなある日の出来事。

 連れと何か面白そうなもの無いかなーと街を歩き、なんとなく入ったゲームセンター。ゲームセンターもイメージ強化の為か大方の店で、女性客狙いでプリクラを設置し(なんだかんだ言ってもブームが去った今でもちゃんと客は入っている。大したものだ)、恋人同士客狙いでこの手の可愛いぬいぐるみやアクセサリーが景品となっているUFOキャッチャーが設置されている。
 そしてUFOキャッチャーとは往々にして普通では売っていない品物が置いてある。なので、景品に採用されているキャラクターがマニアに通じていることがよくある。もちろんマニアがアイテム欲しさに貢ぐ金は尋常ではないから。多分店によってマニア品と一般客寄せ品の割合は違うだろう。キャラが周知されているものだと結構重なることも多い。

 そして私はべつにその景品のキャラクターのマニアではないが、好きなキャラなので(一般的知名度が高く、かつマニアも存在するキャラである)ちょっと挑戦してしまったのだ。上の文章でいう、最後のケースの品だ。
 箱で提供されていて上部に引っ掛ける為のリングがあるので取りやすく見えた事もその一因。

 取りやすく見えたとはいえ、反対に取りにくいものかもしれないとも取れる。どっちにせよ取れたらラッキーレベルのお遊びUFOキャッチャーなのであまり気にはしていない。

 という事で100円投入。

 ど真ん中にUFOを置くと、上部にあるリングがキャッチャー部のど真ん中に来てすり抜けてしまうと思い、前後位置だけ合わせ、左右位置はずらしてキャッチャー投下。

 ふよんょんふよんょんふよんょんふよんょん(キャッチャーが動いていると思いねえ)

 ひゅぅうぅうっぅううんうぅうんんん(同、落ちていると思うべし)

 あれ?

 がし。(同、閉じたと思ってくれ)

 ノォオオオオオゥゥウウ!!!!!!!(私の心の叫び)

 なんとわざわざ左右ずらして投下したのに箱の下部までキャッチャーが落ちてしまったためにキャッチャーが閉じると同時に箱をはさむ事になり、それによって中心位置があってしまった。これでははさみ先端部からリングが落ちてしまうではないか!

 うぃんうぅぃんうぃんうぃんうぃんうぃんうぃんうぃん(キャッチャーが上に上がっているという判断が正解)

 UFOキャッチャーのはさみ力で箱が持ちあがるわけも無く、キャッチャーの爪は箱の側面をずりあがっていく。
 そして爪部分が箱の上部に。これで一応爪は閉じるが真中心にあるから絶対すり抜ける。やっぱりダメなのか。

 わしっ。

 へ?

 うぃんうぅぃんうぃんうぃんうぃんうぃんうぃんうぃん(同上)

 あれ?爪がリングの部分に来ない。景品も持ちあがってる?ひっかかってる?

 箱を梱包してるビニールの締め部分に引っかかってる!!!

 うぉぉおおおぉぉおぉ!!!!!!!

 初めてだ、品物が空に浮いた!(今まで一部が上に上がったことはあれど持ち上げた事すらなし)

 え?え?え?取れるの?本当に?すごいすごい!!!

 うょんうょんうょんうょんうょんうょんうょんうょんうょんうょんうょんうょん(同、動いている音以外になんと思える?)

 いやいや、ここで期待すると失敗した時が怖いぞ、という思いとUFOキャッチャー初獲得か!!!?と思う心が交錯している間もキャッチャーは何も言わずに景品を保持したまま開始位置(=終了位置)へ。もちろん最後に近づくに連れ交錯していた思いの割合は後者が多くなっていった。

 うーーーーん(キャッチャーが開く音、のはず。)

 ごとっ(何の音か解らない人間がいるだろうか?いやいない(反語))

「取れたよ!」

「取れたよ!」

「取れたよ!」

「取れたよ!」

 私は今までUFOキャッチャーで景品を取ったことが無い男だったのだ。ついにこの文章の文末を「だったのだ」という過去形にする事に成功したのだ!!!

「すげぇよ!」

 という事で、この景品はその品物の価値よりも、私の歴史の中で最初に取れた(もしかしたら最後かも)UFOキャッチャー景品として大切に扱われることになりました。

 ちなみにその景品はこれ。

ルパン三世ミラー&フィギュア(石川五右衛門)

 いや、本当に世の中に多数いるルパン三世マニアでは無いです(本物のマニアはすごいらしい)。

追記

 ちなみに、UFOキャッチャーに開眼した気になってしまってこの直後別のUFOキャッチャーに挑戦して失敗しました。

 これが峰不二子だったら結構高く売れるのだろうか?と考えてしまった私でした。(ところで4人の中で誰がマニアに一番人気なのだろうか?自分の予想ではマニアと言う事でやっぱり峰不二子だと思うのだが。)