歯医者

1.現状

2.受付

3.診察

4.指導

5.終了


1.現状

 さて、歯医者。好きな人はいるだろうか?いやいまい(反語)。しかし、私の歯は強度が弱いらしいのと、甘いものが大好き(これは食通への曲り道を読んでもらえれば分かるだろう)なおかげで、人並み以上に歯医者に通う男なのである。

 そしてこの度、歯医者を変えることにした。何故? それまで通っていた歯医者の最近の治療に疑問を持ってきたからである。素人の自分でさえ、ここはおかしいだろうという所を平気で見逃すのである。ここは前のアパートから駅までの道の途中にあったため通っていた。しかし(そのアパートから遠くない)今のアパートからは駅に行く途中というわけにはいかない。医者を変えるというのはなかなか抵抗があるのだが、将来の私の歯の健康のためにそんなことは言っていられない。

 変えるもう一つの理由が今のアパートから歩いて三十秒ほどの所に歯医者があるという事が挙げられる。さらにそこは人気があるらしく駐車場にはいつも車が止まっている。高そうな車もたまに止まっている。きっと優秀な医者に違いない。外からブラインド越しに中が伺えるが、医者と看護婦がいつも働いている。今までの歯医者のように、患者が来た時だけ歯医者が出てくるというのとは訳が違う。

 という事で、ちょっと歯の調子がおかしくなった事を機にその歯医者の扉を開けるのであった。

2.受付

 扉を開ける。スリッパを履く。待合室は狭い。3人ほどしか座れない。それはおいておいて、こちらは初診なのだからカルテを作ってもらわなければならない。受付に問診表が備え付けてある。それに書きこんでいると受付の女性が

 「初診の方ですか?」

 と声をかけてくる。手馴れて問診表を書き始めてしまったが、やはり受付に声をかけておくべきだったか。当たり前だ。

 「あ、はい、そうです」

 と当たり障りの無い返事を返す。

 「どこか痛いのですか?」

 「痛いところがあるのと、全体的に見て欲しいところがいくつかあります」

 「それじゃメインの所だけ書いて後は先生に話してください」

 という事で、その通りにして待合室で待つ。

3.診察

 さて呼ばれて中に入る。診察台は三つ。私が座るとすべて埋まるという盛況ぶり。歯医者も看護婦さんも複数いる。看護婦さんが診察の準備や簡単な事をして、それが終わったら歯医者が診察をするという形。とりあえずは初診なので歯医者さんが現在の歯の状況を見る。さて、虫歯の進行度というとC1〜C4という言葉が標準だと思っていたのだが、そんな単語は一つも出なかった。RFだのGFだの(適当)色々な専門用語があるらしい。

 で、肉眼で一通り診察してから歯医者さん一言。

 「それじゃ現在の歯の状況を詳しく調べますのでX線撮りますね」

 え”・・レントゲンですかい。さすが先端の歯医者(と勝手に決めつける)はやることが違う。

 あごが動かないように屈辱的な固定をされレントゲン写真を撮る。

 さて、レントゲンが終わって現像までまた時間がかかる。ご丁寧に雑誌を持ってきてくれる。しかしあまり読まないうちにレントゲン写真が上がってくる。早いね。

 という事でここに書くのが恥ずかしくなるぐらいの歯の状況。やっぱり今までの歯医者はちょっと腕が足りなかったらしい。かぶせなおしたほうが良いと言われる。

 その後、懸案だった所を治し、後は気になるところだが、一気にはやれないという事で今日は終わり。看護婦さんが歯を綺麗(美白ではない)にする処理をしてくれ、歯の磨き方講習までやってくれた。

4.指導

 で、為になったことに、私の今までの歯の磨き方は横磨きというもので、駄目な磨き方らしい。なんでも歯茎をいため、その歯茎の根元から現れた歯の根元部分を削り取ってしまう磨き方とか。ローリング法と振動法なる方法で磨くように注意を受ける。さらに夜だけ磨くのでは駄目だとも言われる。わかっちゃいるけどなかなか磨けないのよね。でも最近はちゃんと磨いている。いや今までも歯医者に通った後はちゃんと磨いていたから、もしかしたらそのうち断念してしまうかもしれん。でも頑張らないと。うんうん。

5.終了

 会計。さすがにレントゲンを取っただけあってそれなりのお金を取られる。まぁ、ちゃんと今まで見えなかった部分が分かったわけだし納得する。しかし、一番驚いたのは受け付けの人との会話の中での事である。

 「次なんですけど・・・・*月**日か*月**日になります」

 「え?二週間も空けるんですか? 明後日とかは?
(注:二週間空けて様子を見なければいけないのか?二日程度でいいのでは?、と思っている)」

 「もう予約が埋まっちゃっているんで・・・・」

 そうか、これがそうか。今まで歯医者といえばあまり患者のいない、予約なしで行ったらすぐにやってくれる(診察内容がどうだかは不明だが)歯医者しか知らず、世間で言う予約をする歯医者なんて別世界のものだと思っていたのだった。これが普通の歯医者なのか!!と心の中で感動していた。医学上の問題でなく時間的問題だったのね。驚きを隠しながら

 「あ、それじゃ早いほうの*月**日で」

 と答える。渡されたのは診察券という名前でなく「お約束カード」という名前だった。「厳守してください」と書いてある。うーむ。今まで歯医者の時間なぞ気にしてなかった私に厳守できるだろうか。まぁ私は約束の時間をほぼ完璧に守る男だから大丈夫だろう。多分。

 しかし、この調子でいくと私の歯が完治するのはいつのことになるのだろうか・・・・やっぱり腕の良い歯医者って混むのね。待ち時間長くても良いから行ったときにやって欲しいというのは私だけだろうか。