2017年05月

『そして生活は続く』星野源著、文春文庫

　という事で、大ヒットドラマの主演の方が著者のエッセイ集。著者のファンの方には申し訳ないけど今回（結構時間経ったが）のドラマが話題になった事で初めて聞いた名前だった。
　そして重ねて申し訳ないけど、実は「逃げ恥」見てなかったりする。が、歌手もしているという人がドラマに出ててヒットしてという事で、どんな人なんだろう、と思っていた所で本屋でこのエッセイ集を見つけ購入。

　基本お笑い系（？）の人なのだろうか？そうでない方向を目指している人だとしたら、このエッセイ集は読まない方が良いかも。
　もしくはそこらへんのギャップを狙っているのか。文学小説書く人のエッセイが笑い目指していたりするケースもあるし。
　本業は音楽と演劇（などの表現者）なのだと思う。そしてその人が書くエッセイを読みたい人を狙っての企画なのだと思う。失礼だが、脱線が激しく、文字数を埋めるのが大変だったんだろうな、という感想を持ってしまった。一つのキーワードでいきなり話が変わるので、戻ってくる時に前の話を思い出すのが大変だった（というか軽く読み直した）。すっかりスローペースになってしまった自分の読書スピードにはきつい。
　なので、随筆として楽しむというか、著者の本業に関するファンの人がもっと著者の事を知りたくて読むというのが本流かと。
　本文であるところの著者に関する各エピソードは本書を手に取って下さい、という事で。

　本書で一番印象に残ったのは、巻末にある、きたろうさんとの特別対談の中できたろうさんが言っていた「自分の出演作を監督にすごくほめられて、映画館で観たらあまりにもひどくて自殺した役者さんがいる」という一文。どんなひどかったのだろうとも思いつつ、そんなのをよく監督はOK出したなとか、各種事情でそんな事になった事の責任を感じての行動なのか、など色々考えてしまった。

2017/05/21(Sun)