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『私の中の日本軍(下) 』山本七平著、文春文庫
前巻に引き続き「百人切り競争」記事が捏造である事を色々な面から取り上げ、説明していく。下巻では日本刀信仰に関わる話が多かったか。日本刀の強度では何人も人を斬ったり出来るものではないとか、剣道の様に叩く形の使い方ではすぐに曲がってしまう、居合道のような斬る使い方をしなければならない、とか色々。
まー、漫画とかだと銃をぶった切ったりしてますね。実際はどうなんでしょ?そういえば確かに剣客商売でも頚動脈や足の脛を切ったりと骨まで斬ったりしてた表現は少なかった気がする。
で、最後に南京大虐殺に関わる話についてのおかしい点を色々記述。今までの「百人切り競争」の話は前フリでこれがこの本のメインじゃないのかと思えるほど。なんでも南京大虐殺にかかわる話のほとんどは新聞記事を参考にして作成されていて、それが矛盾だらけだ、と。
その新聞記事はおかしいかもしれないが、南京大虐殺丸ごとおかしかったとするのはいかがなものかという気がする。1日2日ですべてやったというのは確かにおかしいかもしれないが、殺害された人の数とかも正確な数値なんて解らないと思うけど、全部が無かったという事にするにはでかすぎる事件。以前「ラーベの日記」という本を読んだ事があるが、期間のスパンが結構大きかった記憶がある。
連載されていた雑誌が「諸君!」という雑誌らしい。もしかしたら編集者に色々指導されたのかもしれん。
著者が書いた「日本はなぜ敗れるのか -敗因21ヶ条- 」では「これこれこういう形になるに決まっている」と思い込んでいる事について書かれていたが、私の中の日本軍では著者自身が「新聞記事で間違っている所があるから内容自体すべて嘘に決まっている」と思い込んでいる気がする。もちろん当時の多くの新聞記事の中で超大げさに書いたり話を作り上げたものもあると思うけど。
2007/08/04(Sat) |